レビュー

 
 レビューされるばかりがシナリオ作者じゃない。
 むしろどんどんレビューしレビュアーの鏡となれ。
 さすればその功は自分のシナリオにかえってくるだろう。
 
                            2005 ハク
 
 そんなわけで約一年ぶりのシナリオ名を挙げての本気レビューです。
 

かぜのはてまで

 作者:昼顔さん 直リンク禁止なのでSRCのシナリオコーナーからどうぞ

 はじめに

  相互リンクをしているという状態を"身内"と言うならば
  これもいわゆる"身内のレビュー"です。
  
  ただ、身内のレビューというものがあまり評判が良くない、
  むしろ酷評を避けて甘やかす結果になるという意見があることもよく知っています。
  
  だから遠慮なく書きます。それが口だけかどうかは全てを読んでから判断してください。
  

 今回のレビュー対象話

  全一話完結のため一話。
  これがサンプル以外でエンディングまで行った唯一の作品ということに。
 

 構成について

 ・シナリオデータはフォルダに格納せずむき出し。
  
  全一話のためこれで問題ない。
  
 ・黒一色、白一色の画像ファイルあり。
  
  容量より処理速度を優先しているなら問題なし。
  でも大抵の場合はClsやLineで代用できます。参考までに。
  
 ・Readme.txtにヒント的なものあり。
 
  実は攻略の上で大事なヒントだったりするが
  ネタっぽく書いてあるのでヒントと見抜けない可能性が。(…というか見抜けなかった)
  シナリオ中でもよかった気がする。
 

 グラフィックについて

  非オリジナル。
  シナリオの雰囲気を崩さないものを選んでいると思う。
  
  ある動物の顔アイコンが無いのが痛い。
  プロローグ、エピローグでは逆にそういう演出に見えるが
  戦闘中はやはり不自然なので、写真を加工してでも用意してほしいところ。
  

 ストーリーについて

  プレイ後に感じた素直な感想は「なるほどね…」
  
  唐突に、意味不明な状態から始まり
  ストーリーを進めるとだんだんと主人公が何で、
  何をしようとしてるのか分かってくるタイプ。
  
  ただ、はっきりとした答えがあるわけではなく
  数々のヒント(セリフ、場面、その他の設定)から察してくれという印象。
  
  これを良いと思うか悪いと思うかは人しだいだが
  私に関して言えばエピローグあたりでもう少しフォローがほしかった。
  だいたいの話はつかめたものの、まだ確信にはいたらず。
  
  あと、ジョジョネタが多いので
  ジョジョを知らないとその独自の言い回しにますます深みにはまると思われる。
  ジョジョファンにはたまらないが、知らない人は見捨てられる諸刃の剣。
  

 戦闘について

  武器が全てマップ兵器。防御も回避も不可。
  よって、下手にクイックセーブすると完全にはまります。
  ボスの攻撃の命中率は90%ぐらいにしてハマる人を救済してほしい… (←ハマった)
  
  こういうシステムで何話も戦えといわれるとちょっと厳しいが
  一話だけならこういうのもありかなーといったところ。
  
  ボスはある倒し方をひらめかなければ撃破不可能。ただしヒントがある。
  力押しが通じず、特殊効果をふんだんに利用してボスを倒すというのは
  あまりそういうシナリオをやってない人には斬新かも知れない。
  

 BGMについて

  これは人ぞれぞれなので何ともいえないが
  
  軽い話 → 誰かに尾行されているという話 → 軽い話
  
  この間が終始軽めの音楽というのが個人的に違和感。
  あまりしょっちゅうBGMを変えるのも難だが
  ここはシナリオ上重要なところなのでBGMでプレイヤーの気を引いてもいい気がする。
  
  ここ以外は特に違和感なし。雰囲気を壊すような選曲はないと思う。
  

 粗探し

  もしかしたら製作当初は数話にするつもりだったのかも知れない。
  その残骸らしきものがいくつか。
  
  ・Mapフォルダにこのシナリオで使われていないマップファイルが多々
  ・意味の無い non_pilot.txt や item.txt がある
  
  作り手にとって大事な思い出であることは理解できるが
  DLするプレイヤーにとっては単なる無駄な容量アップ。
  ここは心を鬼にして削除してほしい。
  

 総括

  全一話完結ゆえの苦戦がうかがい知れます。
  
  いかに戦闘を特色あるものにするか。
  大量の情報をスマートに伝えるか。
  そして書きたいことを書き尽くすか。
  
  それらの点で言えば一話完結というのは長編より難しいと言えます。
  それに果敢に挑んだこの作品、私は上記のように感じました。
  
  ですがそれは数多くのプレイヤーの中の一人が持った感想に過ぎず
  あなたが受けるのはもっと別の印象かも知れません。
  
  作品のレビューを見たら、ぜひご自分でもプレイして
  私と通ずるところはあるか、違う印象を持つところはないかを確認し、
  それをまたシナリオ作りの糧としていただきたいです。
  
  このレビューがそのいいきっかけになればこれ幸い。