漫画

 
 蒼天航路完結。
 
 三国志漫画として読むなら最後はいろいろと消化不良な感じもするけど
 曹操漫画として読むならこれでよかったんじゃないかと思う。
 
 個人的にこの漫画で一番おもしろかったところは、
 B級の武将が時にはA級以上に活躍して見せたところ。
 
 当然ながら、この漫画でも有名武将の噛ませ犬に終わる武将は何人も存在する。
 だがその誰もが何らかの意味があって有名武将に果敢に飛び掛り一撃でやられている。
 ある者は時間を稼ぎ味方を生かすため、ある者は己の意志を貫くため。
 戦略的な無駄死にはあっても、精神的な無駄死にというものが存在しない。
 
 誰かの"○○の戦いで戦死"という経歴を見ると、以前は
 なにやられてんだか、馬鹿だなぁなんて思ったものだが
 この漫画を読んだあとだとその死の意味を考えるようになる。
 一体何のために、どんな思いで戦い、そして死んだのか。
 
 まあこの漫画はフィクションのかたまりみたいなものなので
 この漫画に出てくる全てを信じ込むのは馬鹿らしいが、
 それでも、B級武将がこんな活躍してたらいいなと考えるとまた楽しいし、
 自然とその武将を好きになってしまう。
 
 もちろんこの漫画ではA級武将もこれまでにないほどかっこよく描かれている。
 しかもどいつもこいつも半端じゃなく強い。全員が一人で一万人を斃す勢い。
 最初は「そんな馬鹿な」と思っても、何巻も読んでると
 「もしかしたらこいつは実際これぐらい強いかも」なんて思えてくるからおもしろい。
 
 そんな"三国志武将生き様漫画"、
 三国志の基礎知識がない人にはただのバトル漫画に見えるかも知れないけど
 知識がある人には、必ず今までと違った見方を与えてくれる逸品であると言い切れる。
 
 
 この文章が、貴方とこの漫画の出会いのきっかけとなればこれ幸い。